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【筋肉怪談】夏だし、筋トレサラリーマンが廃病院へ行ったときの怖い話をする【実話】

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どうも、みなさん。やまちゃんちのパパこと、もってぃです。

もってぃ
もってぃ

夏と言えば、筋肉と怪談だよね。

きょうは、私が廃病院に行って体験した怖い話をするよ!!

この記事はこんな人におすすめ

筋肉も怪談も大好きな人

怪談を読みながら筋肉について学びたい人

普通に怖い話を読みたい人

暑い夏、筋肉をとるか怪談をとるかは空前絶後の超絶怒涛の選択だと言えます

それなら、いっそのこと両取りしてしまえ!というワガママ思想から生まれたのがこの「筋肉怪談」になります。

この記事は、筋肉怪談の第3弾です。

他の記事に興味がある方は、記事最後に過去の記事をまとめていますので、ぜひ読んでみてください。

話は、私が学生の頃に経験した実体験が元になっています

眠れない夜を過ごすあなたに、ひんやりするようなお話をお届けします。

ぜひ最後までお楽しみください。

では、いきましょう。

大学の仲良し5人グループ【廃病院の怖い話①】

今回の話は、私が大学4年生になった夏のお話です。

当時、私は東京都内の某大学に通っていました。

大学では、毎日一緒にジムへ行くような5人の仲良しグループに所属していました。

普通の怪談なら、A男、B男、C子・・・と仮名で紹介するのですが、この記事は筋肉怪談です。

登場人物の呼び名と、簡単なプロフィールは以下のようになっています。

  • 上腕二頭筋(男):上腕三頭筋にフラれた
  • 上腕三頭筋(女):上腕二頭筋が大好きだったけど、就活で性格が変わった上腕二頭筋に愛想をつかせた。大腿四頭筋といい感じ
  • 大腿四頭筋(男):せっかくもう一息のところまできているのに、あともう一歩が踏み出せない。頑張れよ。
  • 大殿筋(男):口癖が「マッスルマッスル」
  • 私(男):就活の打ち上げで渋谷で飲んでいたら、翌日の昼に前橋で目が覚めた(実話)

大学2年生のころから、メンバーは変わりません。

上腕二頭筋

街を歩くマッチョの袖が、いよいよ鎖骨まで短くなった8月上旬の話です。

珍しく、大殿筋の提案で合同合宿筋トレをすることになりました。

大殿筋は超金持ち【廃病院の怖い話②】

大殿筋

大殿筋は、普段は「マッスルマッスル」しか言わないんですが、恐ろしいほどの金持ちです。

東京を通る、とある私鉄沿線の駅前に多数の土地を持つ地主の息子です。

土地を相続するだけで一生食うのに困らないレベルの家に生まれ育っているのですが、

親からの援助を一切受けず、コンビニの夜勤で働くという変わり者でした。

滅多に実家の力を借りない彼なのですが、就活が終わったこともあって、卒業までに盛大な思い出を作りたがっていました。

そこで、大殿筋が提案してきたのが、彼の実家が持っている別荘を使った、泊り込みでの合同トレーニングでした。

大腿四頭筋

ただの合同トレーニング合宿なら良かったです。

でも、上腕三頭筋の気を引きたい一心の大腿四頭筋のひとことで、流れが変わりました。

大腿四頭筋
大腿四頭筋

どうせなら、大人数でお化け屋敷企画しようぜ

喉元すぎれば熱さ忘れる。人間、1年も経てば過去の怖い記憶なんて忘れてしまっています。

大殿筋
大殿筋

マッスルマッスル!!

場所を用意してくれる大殿筋が、思い出作りのために乗り気だったこともあり、結局お化け屋敷企画をすることになりました。

とある場所を使って、驚かす側と楽しむ側にわかれ、お化け屋敷をやろうという企画です。

サークルで話したところ結構な盛り上がりとなり、私たちの5人グループ以外にも人が集まり、総勢25人の大所帯となりました。

大学の夏休みを利用して、某富士山がある県の大殿筋家別荘へと行くことになりました。

某富士山がある県の別荘へ【廃病院の怖い話③】

私たちは4台の車に分乗して、大殿筋家の別荘に向かいました。

6泊7日と、人生のモラトリアム大満喫の日程です。

都内から約4時間。舗装された山間の道を抜けていくと、キレイに木々が切り開かれた空間が広がっていました。

その中に建つ別荘を見たとき、腰を抜かしそうになりました。

大腿四頭筋
大腿四頭筋

こんな豪邸が別荘かよ・・・

部屋数を数えるのも面倒でしたが、ログハウス風の2階建て、10LDK1MONの家でした。

MONはそのまま、門のことです。

部屋数がアホほどあったので、25人でも問題なく泊まれそうでした。

上腕三頭筋
上腕二頭筋
上腕二頭筋

ところで、お化け屋敷はどこでやるんだ?

上腕二頭筋の大殿筋が答えます。

大殿筋
大殿筋

マッスル!マッスル!!

大殿筋いわく、車で30分ほど行った先に廃病院があるとのこと。

そこが、お化け屋敷企画の舞台です。

以前は山間部の集落向けの中核病院として機能していたそうなのですが、

人口減少と地域医療網の発達で、10年ほど前に廃院になったとのことでした。

土地の所有者は、大殿筋の祖父。そのおかげで、不法侵入に問われる心配もないという絶好の環境です。

上腕三頭筋
上腕三頭筋

勘弁してよ・・・。私は今回、裏方に回るからね

すでに昨年、一昨年と怖い目を見ている私たちにとっては、当然の思いです。

上腕三頭筋はお化け屋敷の参加者ではなく、企画側に回ることになりました。

お化け屋敷企画は、最終日である6日目の夜に開催することになりました。

廃病院でのお化け屋敷企画【廃病院の怖い話④】

怪談

お化け屋敷企画は、驚かす企画者側に15人、参加者として楽しむ側に10人に分かれることになりました

合宿中、筋トレや飲み会を楽しみつつ、驚かす側は廃病院に通って準備をします。

仲良しメンバーは、上腕三頭筋以外全員が参加者側になりました。

参加者側は、当日までの楽しみをとっておくために、廃病院に近づくことは禁止です。

私も参加者なので、会場が廃病院であること以外は何も知らないままでした。

上腕三頭筋
上腕三頭筋

見てなさい、泣かせてやるわ

なんとなく、元カレである上腕二頭筋に向けて言っているような気がしました。

上腕三頭筋にフラれた夜、上腕二頭筋が号泣しながら鏡月のボトルを一気飲みしていたのはいい思い出です。

私も、連日の二日酔いやトレーニング、楽しそうな企画者たちの様子を見て、だんだんと恐怖心が薄れていきました。

お化け屋敷の当日【廃病院の怖い話⑤】

楽しい日はあっという間に過ぎ、最終日6日目の夜になりました。

大殿筋が運転する車で、会場となる廃病院へ向かいます。

大殿筋が言っていた通り、30分も車で行くと古ぼけたコンクリート建ての病院が見えてきました。

病院と言っても、壁面はコケに覆われ、病院名の書かれた看板もありません。

ただ、建物の雰囲気が「病院っぽい」というだけでした。

田舎によくある、大きめの個人診療所という印象でした。外から見る分には、3階建てのようです。

大腿四頭筋
大腿四頭筋

思ったよりも本格的な廃病院なんだな

不安げな大腿四頭筋がつぶやきました。

過去の経験がなければ、そんな様子の大腿四頭筋を鼻で笑っていたかもしれません。

ですが、いざ廃病院に来てみると、なんだかこれから何かが起きるような気がして、鳥肌が立ってしまいました。

上腕三頭筋
上腕三頭筋

じゃあ、ルールを説明するわよ

企画者側の上腕三頭筋は、すっかり元気な様子です。

上腕三頭筋の説明によると、廃病院はやはり3階建て。

1階が待合室と診療室、2階が医師の待機スペース、3階が入院患者用の病床があった部屋という構造になっているそうです。

私たちは1階から入り、指示されたルート通りに進み、3階の壁に貼ってあるお札をはがしてくる――といった設定でした。

中に入るのは、男女2人ずつ。でも、女性の人数が足りていないため、私のペアは大殿筋になりました。

大殿筋
大殿筋

マッスルマッスル・・・

そんなこと言わないで、大殿筋。がっかりしてるのは私も同じだよ。

私と大殿筋の順番は、一番最後になりました。

先に中に入ったペアの叫び声が、廃病院の中から聞こえます。

中から出てくるペアは、たいてい青白い顔になって出てきます。

大学4年生が、丸々5日間本気で作っているお化け屋敷です。

しかも舞台が舞台なだけあって、相当怖そうです。

そんなこんなで2時間ほど経って、私たち以外の9ペアが終わりました。

いよいよ、私たちの番です。

クオリティ高すぎなお化け屋敷【廃病院の怖い話⑥】

中に入ると、床に置かれたろうそく以外の光源はありませんでした。

2メートル間隔で1本置かれているかどうかなので、ほとんど周りが見えません。

受付口や待合室のイスなど、病院らしい装飾があるのはなんとなくわかります。

ろうそくをたどるように歩いていきます。

1階の待合室には、特殊メイクをした死人が倒れています。

「通りすぎる時に腕とかつかまれるんだろうな」なんて思いながら死人を見つめていると、目の前に白装束の女が立っていました。

大殿筋
大殿筋

マッスルマッスル!!!

大殿筋の叫びが病院に響きます。

1階を過ぎ、2階へ上がると薬品棚が並んだような部屋がありました。

突然ガラガラッと薬品棚の戸が開いたと思うと、顔に生暖かい液体が飛んできました。

顔を手で拭うと、赤い液体。血のりなんでしょうが、暗闇で見ると見分けなんてつきません。

もってぃ
もってぃ

マッスルマッスル!!!

ついつい、大殿筋の口癖がうつりました。

そして、最後の3階

3つある部屋を順番に回っていき、4部屋目が最後の部屋でした。

入り口と反対側の壁に、一個だけ窓があります。月の明かりが、その窓からこぼれていました。

窓の横には、一面びっしり貼られたお札。これを一枚はがして持って帰れば、ミッションコンプリートです。

大殿筋がお札をはがしたとき、

ガンガン!!

と、窓を叩く音が聞こえました。

窓を見ると、ガラスの端っこに濡れた長い髪のようなものがびっしり張り付いていました。

こればっかりは、怖くて声も出ませんでした。

あまりの怖さに、大殿筋と手をつなぎながら、窓の方を見ないようにして部屋を出ました。

あの時の、じっとりとぬれた大殿筋の手の感触は7年経った今でも忘れません。

行きと同じ道をたどるようにして、病院の外へ出ました。

一番怖かったもの【廃病院の怖い話⑦】

外へ出ると、月明かりがとても明るく感じました。

手をつないで出てきた私と大殿筋を、企画者の上腕三頭筋たちは笑って出迎えます。

恥ずかしさで、大胸筋がパンプしそうでした。大歓迎です。

上腕三頭筋
上腕三頭筋

どう?結構な完成度だったでしょ?

上腕筋が胸を張ります。いい大胸筋をしています。

冗談はさておき、大学生が5日間をフルに使って準備をしたわけですから、そりゃ怖いに決まっています。

途中に出てきた白装束の女といい、赤い血のりといい、窓の髪の毛といい。

紹介しきれませんが、他にもたくさんのびっくりポイントがありました。

大腿四頭筋
大腿四頭筋

いや、本当に怖かったよ。

大殿筋はどこか一番怖かった?

参加者側だったみんなが、口々に怖かったポイントを語り合います。

ああ、これ青春

来春から社畜として働くことに思いをはせながら、私も会話に参加しました。

もってぃ
もってぃ

ゴール地点の窓の髪の毛は本気でビビったよ。

考えたやつ性格悪すぎだよ。

大殿筋
大殿筋

マッスルマッスル!!

私たちの発言を聞いて、盛り上がっていた議論がスッと落ち着きました。

上腕二頭筋
上腕二頭筋

ゴール地点の窓って、お札の横にあった窓か?

上腕二頭筋が聞いてきます。

大殿筋と顔を合わせた後、うなずきます。

お札をとったときに、窓をたたくような音がしたこと、ぬれた髪の毛がビタッと窓に張り付いたことを説明しました。

やっぱり、場の空気が変です。

雰囲気に耐え切れなかったのか、上腕三頭筋が泣き出しました。

大殿筋
大殿筋

マッスルマッスル・・・

大殿筋の言う通りです。

テンションに任せて、「性格悪すぎ」とか言ったのがまずかったのでしょうか。

だんだんと不安になって、上腕三頭筋に謝りました。

もってぃ
もってぃ

性格悪いとか言って悪かったよ。

でも、本当に企画は怖かったよ。ありがとう

大殿筋
大殿筋

マッスルマッ・・・

大殿筋が話し終わる前に、上腕三頭筋の強烈に振りかぶったビンタが飛んできました。

私にもです。完全に理不尽な暴力。

感情が高ぶった上腕三頭筋は、怒鳴るようにして私たちに言いました。

上腕三頭筋
上腕三頭筋

私たちは!!

3階の窓に仕掛けなんて何もしてない!!

濡れた髪の毛なんて知らない!!

そもそも3階なのに、どうやってそんなもの仕込むのよ!!

最後に:筋肉怪談シリーズ

いかがだったでしょうか。

筋肉怪談シリーズ第3弾になります。

翌朝、明るくなってから廃病院内の片付けをしなければいけなかったんですが、

ゴールの部屋にだけは誰も入れませんでした。帰りの車中も、完全にお通夜です。

後から大殿筋を通して廃病院について聞いたのですが、

特に大きい事故があったわけでもなく、あの髪の毛が何だったのかはよくわからないままでした。

言わずもがな、次の日の夕方には神社でお祓いをしてもらいました。

話は変わりますが、私が通っているジムには「良い肩してるね!」と叫びながらお尻を叩いてくるおじさんがいました。

でも、最近になってその姿を見なくなりました。

変な人でも、いなくなると寂しいですよね。

良い肩おじさんが、今もどこかで元気にしていることを祈っています。

筋肉怪談を気に入っていただけた人のため、他の筋肉怪談の記事へのリンクもご用意します。

それでは、今回はこの辺で。みなさま、良い夜をお過ごしください。

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